対戦車・連絡ヘリコプターBo105
(Panzerabwehr-und Verbindungshubschrauber Bo105 P/M)
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Photo by HEER

開発と配備
 Bo105は、西ドイツのMBB(メッサーシュミット・ベルコウ・ブルーム)により開発された。開発は1964年から行なわれ、試作一号機は1967年に初飛行した。
 本機の最も重要な特徴は、ヒンジレスの鍛造チタニウム製ハブを採用した硬式GFRPメインローターである。これによってBo105は対戦車/捜索任務で十分な敏捷性を発揮できるようになった。

 Bo105は輸出もされているが、ドイツ連邦軍は最大の顧客で、VBH(捜索/連絡ヘリ)の名称でBO105M捜索ヘリコプターを100機、PAH-1(対戦車ヘリ1)の名称でBo105P対戦車ヘリコプターを212機を採用した。

 PAH-1は、HOT対戦車ミサイル6発を装備しており、キャビン天井のSFIM APX397安定化目標捕捉照準器を用いて誘導する。航法機材は、AN/ASN-128ドップラー航法装置を装備している。
 その後PAH−1は近代化回収を施されPAH−1A1となった。回収の内容はメイン・ローターブレードの更新、潤滑油冷却システムの改善、空気取入れ口の改良、トランスミッション容量の増加が行なわれた。PAH-1A1への改修は保有する全機に行なわれ、1991年から再配備が始められた。
 本格的な武装ヘリコプターであるティーガーの計画が遅れたことから、現在は更に第2段階の改良が実行され、デジタル式のHOT2対戦車ミサイルの運用能力の付与、天井装備型赤外線照準器の装備、暗視ゴーグル対応改修などにより夜間戦闘能力が向上する。さらに、メインローター・マスト及びヘルメット装着照準器の装備、暗視ゴーグル対応改修などにより野戦能力が向上した。さらにメインローター・マスト及びヘルメット装着型照準器の試験用にも一機が改造されている。
 また、これとは別に、PAH-1のうち54機をスティンガー空対空ミサイルを携行する護衛戦闘型に改造した。この機体はBSHと呼ばれるものだが、通常はPAH-1Aで総称される。
 
 ドイツ連邦軍は、2009年現在160機のPAH−1(うち145機をA1に改修予定)と、45機のPAH-1A1を保有している。

 Wikipediaによれば、PAH-1A1は2013年までに支援ヘリコプター ティーガーに置き換えられるという。

  • 連絡ヘリコプター/Verbindungshubschrauber (VBH)
  • 対戦車ヘリコプター/Panzerabwehrhubschrauber (PAH 1, PAH 1 A1)

 
諸元
エンジン出力 2x380 kW
巡航速度 100 kts
最高時速 110 kts(= 220 km/h)
標準積載量 0,5t
最大離陸重量 2,3t
武装(PAH) HOT対戦車ミサイル 6発
最大射程 (PAH) 4000 m
作戦航続時間(VBH) 2 時間
作戦航続距離 400 km
乗員
  • 1+4 名(VBH-Version)
  • 2名(PAH-Version)
 ※緒元はドイツ連邦軍ウェブページより
参考資料
ドイツ連邦軍ウェブページ;Bo105
「メッサーシュミット・ベルコウ・ブロームBO105」ディアゴスティーニ『週間ワールドウェポン』
青木謙知 著 『戦闘機年鑑』イカロス出版



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