ベルゲパンツァー3 ブッフェル 2010/05/22;作成 |
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Photo by HEER |
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ベルゲパンツァー3 ブッフェルは、レオパルト2の車台を流用した戦車回収車で1992年に導入された。ブッフェルの主要任務は、MLC60(約55t)までの回収作業である。ブッフェルは、軟弱地や河川で行動不能になった車両も回収できる。この他、車両の渡河や修理作業の支援も行う。さらに障害物除去、土木作業、給油及び抜油作業を行うこともできる。 因みにベルゲパンツァーとは戦車回収車を意味し、ブッフェルは野牛や水牛のことを言う。 |
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開発 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
1977年に55tのレオパルト2が導入されると、より強力な回収能力を備えた戦車回収が必要となった。こうして、レオパルト2をベースにした戦車回収車の開発が始まめられた。これには1984年からオランダも参加した。 開発は、Mak(1992年にラインメタルとなる)が担当し、1986年から87年にかけて3両の試作車が製造された(試作車の画像は、PanzerBaer様でどうぞ)。部隊試験が88年に行われた結果、1990年にドイツ連邦軍は75両を発注した。製造は、Makがメイン・コントラクターとなり、ウィンチはRotzler GmbHとCo,Steinenが担当した。そしてブッフェルは、1992年8月から1994年にかけて75両がドイツ連邦軍に引渡された。 引渡されたブッフェルは、最初はレオパルト2を装備した部隊にのみ配備されたが、後にPzh2000を装備した砲兵部隊にも配備された。 開発のパートナとなったオランダは、Bergingtank 600kN BÜFFELの名称で25両を調達した。 |
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構造 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ドイツ連邦陸軍公式サイトより ブッフェルによるパワーパック交換 |
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ブッフェルは、レオパルト2の車台に新しく設計された戦闘室と回収機材が搭載されている。ブッフェルのコンポーネントは、60%がレオパルト2と共通になっている。車体左側には、3人乗りの戦闘室があり、右側にはクレーンが装備されている。エンジンデッキ上部には、交換用パワーパックを搭載することができる。車体前面の装甲板内側には回収用ウィンチが位置いている。走行性能は、レオパルト2A4に準ずるが燃料搭載量は、1160リットルから1620リットルに増加している。 戦闘室 戦闘室には、前方に操縦手、後方に車長が位置する。ブッフェルは、通常2名で運用されるが3人目の座席も用意されいる。車体上面には3名の乗員にそれぞれのハッチが用意されている他、車体側面にもそれぞれアクセスドアが用意されている。この戦闘室には消火防爆システムとNBC防御装置が装備されている。視察装置として、操縦手と車長のハッチにペリスコープが取り付けられており、操縦手用ペリスコープの一つは、夜間操縦用の暗視装置に交換することができる・ 回収機材 クレーンは、吊り上げ能力30tで270°の範囲で旋回することができる。これは吊り荷が30tの場合1m持ち上げることができ、つり荷が21tの場合は2.3m持ち上げることができる。このクレーンには、電子式の運動量リミッターを装備されており、アームの仰角、車体の傾き、吊り上げ重量等から負荷を常に計算し、過荷重になることを防止する。ブッフェルは、レオパルト2A4のパワーパックなら25分で交換できるが、レオパルト2A5以降は増加装甲が邪魔になるため35分が必要になった。 ウィンチは、メイン及び補助ウィンチの2基が装甲内部に搭載されている。メイン・ウィンチの牽引力は 35tで、滑車をひとつ使えば70t、二つ使えば105tになる。ケーブルの巻取速度は、一分間に16m。車体前面のウィンチの開口部は、使用しないときはヒンジで可動する装甲板でカバーすることができ、ドーザーブレードを上に上げると正面から完全に隠すことができる。 クレーンとウィンチは、リモコンで操作できるので、ハッチから顔を出しながら、或いは車外で操作することもできる。ブッフェルの足回りには、サスペンションを固定する装置が装備されており、クレーンやウィンチの使用時に車体を安定させるのに役立つ。 ドーザーブレードは障害物除去や整地作業に使用する他、回収作業でウィンチを使用する際に地面にめり込ませて車体を固定するのにも使用する。またブレード両端にスプリングパッケージと共にトウバーを固定できる。また滑車を使用してウィンチの牽引力を倍化するときに、ケーブルの先端をドーザーブレードに固定することもできる。 トウバーは、車体側面と後面に2本ずつ搭載されている。この他、電気溶接機等の工具を装備しており、簡単な故障なら修理可能である。 自衛用には、車長用ハッチのマウントにMG3を装備している。この機銃は、車内から操作することができる。この他、スモークディスチャージャーを車体前面に8基、車体背面に8基を装備している。 海外での使用 ドイツとオランダの他には、スイス(25両)、オーストリア(オランダのストックの一部を購入)、スペイン(16両)、そしてウェーデンが性能向上型をBgbv120の名で14両を使用し、ギリシャは12両を使用している。 ブッフェルは、完成車体の販売だけでなく回収システムのみの販売も行われた。フランスのGIAT社は、ルクレール車台をベースにしたChar de Dépannage DNG/DCLを、フランス軍向けに22両、アラブ首長国連邦向けに46両を製造した。韓国のROTEM社は、ブッフェルのコンポーネントの一部を流用した、K1車台の戦車回収車を193両を製造し、2005年にさらに20両が納入される予定となっている。 |
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諸元 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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参考資料 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
このページの画像及び動画は全てドイツ連邦陸軍公式サイトからの転載です。情報は以下の物を参考にしました。 ウェブサイト ドイツ連邦軍公式サイト ラインメタル・ディフェンス 書籍 一戸崇雄 著 「レオパルト2(4)」 ガリレオ出版 刊 『グランドパワー 2005年 5月号』 Frank Lobitz著 Tankograd刊 『Kampfpanzer LEOPARD2 Entwicklung und Einsatz der Bundeswehr』 Karl anweiler,Jürgen Plate,Manfred Pahl Kötter著 Motor buch 刊 『Rad-und Kettenfahrzeuge der Bundeswehr IN DEN 90er JAHREN』 おすすめサイト www.panzer-modell.de 画像いろいいろあります。 |
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ブッフェルの画像いろいろ | |
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ドーザーブレードを地面に突き刺して車体を固定している ドーザーブレードを上げるとウィンチの開口部が完全に隠れる 回収作業には人力も必要 回収機材の操作用リモコン レオパルト2のパワーパック交換 |
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