ドイツ連邦軍の装備
陸軍のUAV-無人偵察機

2009/05/22;作成
2010/02/24;MIKADOを追加
2010/04/27;ファンコプターを追加
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ここでは、紹介するのは陸軍が使用しているものだけです。
空軍のUAVはコチラからどうぞ。
海軍のUAVはこのリストの下のほうです。
このページの文章と解説はドイツ連邦軍の公式サイトからの転載です。
公式サイトに乗っていなかったファンコプターのみwikipedia.deを参考にしました。
これ以外にも使用した資料があれば、その旨を個別に表記してあります。

  

 
ファンコプター/Fancopter (2010/04/27追加)

photo by EMT

ファンコプターの
画像
本機はドイツ連邦陸軍の公式サイトに.解説が無いのでWikipedia.deからの転載です。

EMT Fancopter
 ファンコプターは、EMT社の偵察用UAVである。これは、とりわけ市街地や室内で使用するために設計された。これは、ペイロード運搬体としての無人航空機1機と地上ステーション1基から構成される。ファンコプターは交換可能な偵察センサーを使用して、リアルタイムのビデオ中継による航空偵察、或いは着陸しての観測を行うことができる。操縦は人間が行う必要がある。

飛行操縦
 ファンコプターの飛行操縦は、ウェイポイントのプログラムによる自動操縦と、ビデオモニター付きコントローラーを用いてパイロットが操縦するかの一方が選択できる。操縦ボタンを押すと様々なセンサーによる姿勢制御がかかり横風の影響が保補正されることによるオートパイロットのサポートがある。本機の始動と着陸は自動で行われる。パイロットとの接続は無線か光ファイバーケーブルを使用する。

ペイロード
 モジュラー・ペイロードによりファンコプターは全ての光学状況で使用できる。センサーとして使用できる物は以下のとおり。

●昼間カメラ:広角、望遠機能付き、旋回式高精度カラービデオカメラ(2軸安定化)。
●飛行後の空中写真析用の高解像度フォト・カメラ(2軸安定化)。
● 切り替え式の赤外線照明付きの赤外線カメラ(Dämmerungskamera)(2軸安定化)。
●暗闇で使用するための高解像度赤外線ビデオカメラ。

 ビデオデータは、後に分析するために転送されて記録される。ビデオ画像は、リアルタイムの操縦やリアルタイムの偵察の為に、パイロットの操作パネルに表示される。これは追加のモニターかビデオグラスのどちらかに表示することもできる。
 この他オプションとして、科学物質、放射線センサー、マイクロフォンを搭載できる。

ユーザー
 ドイツ連邦陸軍は、2006年から2007年の間に2機の先行量産機を受領し、その後19機のドローンを調達した。更に連邦警察が2006年に1機のファンコプターを調達してる。

テクニカルデータ

この数値はメーカーサイトによる。
航続距離 約 1000 m
試用期間 (飛行中で) 約 25分
使用時間 (停止状態で) 約 3時間
動力 電動モーター
直径 73 cm
高さ 44 cm
重量 1.5 kg

参考資料
wikipedia.de
EMT
 
 
MIKADO(Mikroaufklarungsdrohne/小型偵察ドローン) (2010/02/24追加)

MIKADOの画像
 MIKADOは、市街戦で近距離を偵察するための小型UAVで、動画や詳細な静止画像をリアルタイムで送信できる。
 これにより、目標情報を迅速かつ的確に入手可能になり、味方兵士を驚異からあらかじめ防御することができるようになる。こうして迅速かつ的確に脅威を制圧することができるようになるのである。

 MIKADOは、4基の電動ローターを持つヘリコプターで、静音性の高い飛行を実現している。電源には、リポバッテリーを使用する。
 機体には、気圧高度計、ジャイロスコープと加速度計がとりつけられており、バッテリー残量も表示される。
 操縦には、PCかビデオ・アイグラスを使用する。ビデオ画像は、1.4-2.5GHzの4重ダイバーシティー・レシーバーで受信する。ベース・ステーションは、ヘッドセットを使用した音声通信が可能。作戦のドキュメンテーションのためのソフトウェアは、タブレットPCのTFTタッチスクリーンを使用することができる(これで写真とビデオを記録することができる)。
 不意に通信不能になっても、自動的に着陸する。機体には、針金状のローターガードとランディングギアが取り付けられている。

 因みに、MIKADOとはドイツ連邦軍での呼称で、「小型偵察ドローン」の略称であり japanischen Kaisers Tennōとは関係ない。製造したAirRobot社ではAR 100-Bの名称で、軍事・警察用に販売してる。




用途 市街地での偵察及び観測
活動範囲
  • アナログ・ビデオシグナルなら500m
  • デジタル・ビデオシグナルなら1000m
動力 ブラシレス・モーター(2000 rpm)駆動の2枚羽ギアレス・ローター×4基
直径 約1 m
最大飛行高度 1000 m
偵察機材
(約200グラムまでの各種機材を選択して搭載可能)
  • 昼間間カラービデオ (470 TV lines)
  • ナイトヴィジョン (570 TV lines, 0,0003 lux)
  • デジタルカメラ(10 M Pixel)
  • 赤外線 熱像暗視装置 (384 x 288 ドット、100mの高度から人間を確認できる。)

動画
昼間用カラーカメラナイトヴィジョン赤外線カメラ(リンクをクリックするとメーカーサイトでカメラ画像を動画で見られます。)
飛行時間 約30分
重量 約1、3 kg
活動範囲 500mまで

参考資料
ドイツ連邦軍HP MIKAD
AirRobot社 AR 100-B
AirRobot社 トップページ
wikipedia.de.

 
偵察ドローン アラディン/Aufklarungsdrohne ALADIN

アラディン画像
アラディンは、昼夜兼用の標的・戦果確認及び状況偵察用の偵察ドローンである。偵察結果は、リアルタイムで指揮官に伝えることができる。
 
動力

12V 直流ブラシレス・モーター

エネルギー供給 リチウムポリマー・バッテリーパック
 14V 9A
速度 45~70 km/h
飛行高度 地上50 150m
許容しうる最大風速(突風を含める)
  • 離着陸時 約8,0m/s
  • 飛行中 約10,0m/s
全長 1,53 m
全幅(翼幅) 1,46 m
全高(アンテナ含む) 0,36 m
重量 約3,20 kg
 


以下ウィキ情報まとめ
本機は小型のUAVで、アラディンとは近距離画像航空偵察ドローンの略称である。アラディンの離陸にカタパルト等は必要なく、手で投げて離陸する。事前に入力された飛行経路をGPSを利用して移動する為、操縦する必要は無い。また、離陸後に飛行経路を変更することも可能である。ビデオ・データはリアルタイムで中継されるが、機内のデジタルビデオ・カセットにも録画される。通信圏外を飛行中でも、中継ドローンを使用することでリアルタイムで画像を受信できる。アラディンは、工具無しで分解できるため、狭い車内でも邪魔になることは無い。

構成
1つのシステムは、ドローン2機、地上コントロールステーション1基、移動気象ステーション1基で構成される。

性能
 最高速度;大気速度37~76 km/h
 飛行高度;対地高度30~150 m
 航続距離;15 km
 航続時間;規則では30分だが、実際には1時間が可能

調達
2005年 3月;陸軍偵察部隊の為に115システムが発注される。
2005年10月;ムンスターの機甲兵学校に最初の量産期が納入される。
 

機甲偵察部隊偵察部隊に引き渡されたアラディンは、フェネック偵察車に搭載して運用されている。

 
偵察装備ルーナX/ Nahaufklarungs-Ausstattung LUNA X

LUNAの画像

ルーナは、独自の情報優勢部隊で運用されている無人偵察機である。ルーナは、それぞれの投入地域でビデオ、赤外線フィルム、スチール画像をリアルタイムで送信するすることができる。

ルーナは、40㎞の距離に進入して"ライブ"で偵察することが出来る。この小型で敏捷な偵察システムは、Leichtbauweiseコンセプトにより市販のコンポーネントをベースにして製造された。
ルーナは、モジュラー搭載コンセプトにより、任務に応じて3基までのカメラを搭載する事が出来る。これらのカメラは、画像をリアルタイムで地上コントロールステーションに送信できる他、機内に記録されたデータを後から評価することも可能である。また遠隔操作のリアクションタイムも、非常に短くなっている。

この飛行機材は、カタパルトから離陸して、事前にインプットされた飛行コースを飛行する。操縦/フライトプランナーは、飛行中に新しい飛行経路を入力することもできる。

偵察結果は、評価された後に野砲部隊用指揮情報システムADLERにより、それぞれの担当者(オペレーションセンター)に伝達される。
ルーナは、偵察任務を実行した後はパラシュートで指定した場所に着陸し、点検を受けて再度投入される。

動力 2サイクルエンジン
飛行速度: 70~160 km/h
飛行高度 4000mまで
飛行時間 4時間まで
全長 2m
翼幅 約4m
離陸重量 約32kg
システム・エレメント
  • 飛行機材及び、ビデオ、スチール写真、赤外線センサー
  • 地上コントロールステーション(キャビン)
  • 発射カタパルト
  • アンテナ
  • 発射・着陸車
  • 修理補修車
 
 
KZO(目標測定用小型飛行機材)/KZO(Kleinfluggerat fur Zielortung )

KZOの画像
KZOは、砲兵が標的偵察に使用するUAVである。KZOは、僅かなタイムラグで砲兵に情報を伝えることができる。遠隔操作可能なKZOは、昼間にほとんどの天候条件で、状況情報を無人で獲得する事が出来る。あるいは他の偵察手段の偵察結果の確認を行う。

テクニカルデータ
偵察範囲 65 km
飛行速度 約120~180 km/h
飛行時間 3,5時間まで
偵察設備 赤外線センサー (ツァイス製Ophelius)
測定の精密度 最大CEP 50m
操作(搭載車両) 兵員4名
全長 (搭載車両) 7220 mm
全幅 (搭載車両) 2500 mm
全高 (搭載車両) 3710 mm
戦闘重量 (搭載車両) 12,2 t
エンジン出力 (搭載車両) 127 kW
最高速度 (搭載車両) 80 km/h
航続距離 (搭載車両) 600 ~ 800 km
 
 
ドローンCL289/Drohne CL 289 (退役)

CL289の画像
ドローンCL289は、プログラムで飛行する無人偵察機である。CL289は、部隊指揮官の為の状況偵察に使用し、約170㎞を飛行する。その間に、標的を測定し、75㎞までの砲兵にリアルタイムで情報を伝達する。これは、他の偵察手段では到達できない距離である。CL289は、2009年3月に退役した。

テクニカルデータ
動力 ターボジェット(Strahlturbine)
速度 720 km/h
航続距離 60~400 km
旋回系 3000m (固定)
巡航速度 740 km/h
最高高度 平均海面上3000m
偵察飛行高度 200~1200 m
センサーの種類 探知距離10㎞までのセンサーを10個
誘導 デジタルマップ及びGPS
センサー
  • 1×ラインカメラ
  • 1×赤外線ラインスキャナー
 

後々参考にしたい資料
wikipedia.de

参考資料;ドイツ連邦陸軍 公式サイト;航空機

備忘録