ドイツ連邦軍の装備
渡河機材

作成;2010/04/07

Photo by HEER
今回紹介するのは、ドイツ連邦軍の渡河機材です。

これらは、戦車や装甲車の迅速な戦術・戦略機動を
保証する重要な機材です
あうっ
地味過ぎる・・・

こんなの誰も喜ばないよ!
大丈夫!
ドイツ軍が使ってるってだけで
脳内補正かかってカッコ良く見えるから!
ボクも!
それから
君も!
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渡河機材-浮橋
 本項では 浮橋とその支援機材について解説する。浮橋は、水に浮かべて架設する橋であり、ブロックに別れた浮体を水面上で連結し、この連結された浮体上に車両等が通過する橋床を構築する。浮体の浮力で橋床にかかる荷重を支持する方式であり、理論的には橋長をいくらでも長くできる。
 現用の浮橋には、浮体と輸送車両が分離できる分離式と、浮体と輸送車両が一体になっている非分離式がる。第4次中東戦争でエジプト軍がソ連製の分離式浮橋PMPを用いてスエズ運河の渡河に成功した事例が有名である。
 この他、渡河機材には浮力によらない固定橋や、小流・地隙の通過に使用する戦車橋もあるがこれらは別の機会に紹介する。
 
 
 
自走浮橋 M3/Schwimmschnellbrucke Amphibie M3
 

メーカー謹製動画


  自走浮橋M3は、水陸両用の4輪駆動車である。これは、迅速に浮橋を組み立て、幅の広い川で装輪及び装軌車両を渡河させることができる。
 M3は、3名の兵士(陸上運転手、水上運転手、浮橋工兵)により操作される。M3は以下のメインコンポーネントから構成されている。
  • 運転席及び陸上・水上での駆動装置を含むメイン浮航体
  • 2基のウォータージェット
  • 3枚のランプ。これは、他のM3との接続や、浮橋上の通路、あるいは浮橋への出入り口として使用する。
  • ランプを移動させるのに使用する油圧クレーン。
乗員 兵員3名
全長 12.82m
全幅(フロート収納状態で) 3.35 m
全幅 (フロート展開状態で) 6.57 m
全高 (車輪が通常の状態で) 3.93 m
重量 26 t
底面高(車輪が通常状態で) 0.70 m
旋回円 直系 (全輪操向) 2.40 m
エンジン 空冷8気筒、4サイクル、直噴ディーゼル
出力 265kw
喫水(貨物無しで) 0.54 m
2隻連結しての喫水 (積載量MLC 70で) 1.02 m
通行可能な幅 4.76 m


性能についてメーカーサイトより
 GDELSによれば、24名の兵士で15分以内に100mの浮橋を構築することができる。これは、MLC85T及びMLC132Wの浮橋あるいはフェリーとして戦闘車両を輸送する能力がある。
 陸上車両としては、4輪駆動・4輪操向で60%の登坂力を有している。
GDELS


使用法について『陸上防衛技術の全て』P225より
 M3は、ドイツ軍のみならず英国軍も使用している自走浮橋であり、(中略)小型で喫水も浅い。進水前に、車両上面に折り畳んで積載した2個の浮体を両面に展開し、水中ではポンプジェットで推進・旋回を行う。浮橋は、(中略)河川の流れ方向に車両を向け、クレーンで展開した路面パネルを逐次連結して架設する。M3を8両連結して橋梁等級70、橋長100mの浮橋が架設でき、その架設時間は24人で20分である。わが国でもM3と類似した70式浮橋を装備している。
 非分離式浮橋は高価で、また、長時間水中で使用した場合漏水に対する高度な整備が必要な為、逐次、分離式不況に換装される傾向にある。しかし、非分離式浮橋は迅速な浮橋架設が可能で戦術的に有利なため、将来は、分離・非分離式浮橋の長所を兼ね備えた軽量で架設作業が省力化された浮橋に関する技術も重要になるであろう。

生産配備についてウィキ情報まとめ
 M3の製造業者は、ジェネラル・ダイナミクスの子会社である、ジェネラル・ダイナミクス・ヨーロピアン ランドシステムGmbH(かつてのEWK)である。類似の車両としては、フランスのEFAがある。

 連邦軍は、1966年から1999年の間に30両を調達し、ミンデンの第130工兵大隊に配備した。更に38両のM3が、ハーメルンのイギリス部隊の第28工兵連隊の第23水陸両用工兵中隊で使用されている。
 
M3の画像いろいろ
 
 
FSB(分離式浮橋)/Faltschwimmbrucke


メーカー謹製動画
 

 FSB(分離式浮橋)は、多くの部分に分割して運搬され、河川に到着するとモトーアボート3の助けにより水上で組み立てられる。個々の断片はポンツーンと呼ばれ、ヒンジで相互に結びつけて使用する。
 

以下、ジェーンズ・オンラインより
ジェネラル・ダイナミック・ヨーロピアン・ランドシステム・ジャーマニー(GDLS-G)、分割式架橋(FSB)、タクティカル・フローティング・ブリッジ及びフェリー。

開発
 1976年に西ドイツは、アメリカ陸軍が初めて製造するリボンブリッジのテスト及び評価プログラムに参与する決定を行った。トライアルは、ドイツで1976年9月から1977年3月に行われた。1977年初期に西ドイツは、リボンブリッジ・システムの採用を決定し、後にヨーロッパでの要求に適合するように改修し、全体の技術デザインをドイツで行った。
 製造はアイゼンヴェルケ・カイザーズラオターンGmbH (EWK)で1978年から始められ、ドイツ連邦陸軍ヘの引渡しは同年12月から始められた。ドイツ連邦陸軍にある12個師団の各戦闘工兵中隊は、それぞれ26のセグメントから成る1セットを有していた。このセットは18個のブリッジ・セグメントと8個のランプ・エレメントから構成されている。
 ドイツのシステムは、 Faltschwimmbrucke、略してFSBと呼ばれている。FSBは11カ国に供給されている(エジプト軍向けのスティール製バージョンを含む)。生産された全FSBは、長さにして11q、1963ブリッジ・セグメントに上る。
 オーストラリア陸軍のFSBの発注は1989年に完了した。この発注は、約 1500万ADで、一部の生産はオーストラリアのニューサウスウェールズのTransfield Construction Pty Limited(2003年にジョン・ホランド・グループに吸収された。) で行われる。
最新のMBTの積載等級のMLC70を採用してEWKが開発したFSB 2-MLC 70バージョンは、インプローブド・リボンと呼ばれている。

特徴
 ドイツバージョンのリボンブリッジは、USモデルと異なりメートル法で作られており、ドイツの要求に適合させる為の多くの改良を含んでいる。信頼性の増加と容易なメンテナンス、これらはオリジナルのアメリカバージョンの能力に何らの影響も及ぼさない。
 変化するブランクを適合させるための上陸用ランプベイは、油圧システムは改良され、無公害の油圧流体が導入された。オリジナルモデルは時々水が入り、オイルを漏らしてしまう。

 この他の改良は以下の通り、アプローチランプの操作の為のウィンチ、セクションを折りたたむときケーブルがクラッシュするのを妨げるための内部ベイの変更、滑り止めのロードウェイとウォークウェイ、そして、FSBがイカダとして使用されている時にブリッジングボートを固定することができる。

 ドイツ、ポルトガルそしてベルギー軍で使用されているFSBは、MAN (6 × 6) 7,000 kgトラック、正式名称Lkw 7t gl 架橋輸送車の後部に乗せて輸送した。
 続く次世代型は、ファルトシュビッムブリュッケ・エクスポルト、FSB-Eと呼ばれ、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、ナイジェリア、ポルトガル、シンガポール、スェーデンそしてトルコ軍で、異なるトラック(大抵はイヴェコ6×6)に搭載されて使用されている。
 現在GDSBSは、オリジナルのPMPと類似したオール・スティール・バージョンを提案している。このバージョンは、独自に開発され、現在はエジプトで使用されている。主な違いはスティールかアルミニウムかで、スペック表で見ることができる。

※訳注、ロシア製の浮橋で、現代の浮橋の雛形となったものである。

ジェーンズ・オンライン;FSB
ジェーンズ・オンライン;トップページ
 
架橋輸送車/Bruckentransporter
 

モトーアボート3を入水させる架橋輸送車 
 

 架橋輸送車は、浮橋の積み下ろしの為の装備を持った、積載量7〜10tのオフロードトラックである。
 搭載されているFSB(分割式浮橋)は、W型に折りたたまれて輸送される。FSBの架設方法は、架橋輸送車が架設地点にバックで進入し、急ブレーキをかけることで水面に落下させる(動画では油圧装置で傾斜させているように見えるが・・・)。すると自動的に展開するので、モトーアボート3(モーターボート3)により組み立てられる。
 架橋機材を再び積み込むときは、モトーアボート3で開いた架橋機材をトラックまで動かし ジブクレーンで吊り上げると浮橋は自動的に折りたたまれて、再び架橋輸送車に搭載される。
 
 
モトーアボート3/Motorboot 3
 

操作性の良さをアピールするモトーアボート3 
 



 このモトーアボート(モーターボート)は、浮橋の組み立てや移動に使用する。これは、架橋輸送車に、迅速に積み込むことができる。これは、360度無段階旋回可能なポンプジェトにより高い機動性を有している。





エンジン出力: 118 kW/160 PS (2300 U/min)
速度: 30 km/h
総重量: 4.7t
喫水:
  • 静止時 0.39 cm
  • 傾斜時 0.84 cm
全長: 7 m
全幅: 3.26 m
乗員: 操縦手1名、作業員1名
 
このページの写真及び解説はドイツ連邦陸軍のウェブサイトから転載しました。それ以外の資料を使用した箇所は、その都度出典を記載しました。

ドイツ連邦陸軍ウェブサイト;Wasserfahrzeuge
ドイツ連邦陸軍ウェブサイト;トップページ
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あとがき
ふにゅ〜

なんだか読みにくい〜・
ソースを確認しやすいように
出典ごとにまとめたんだけど・・・
内容が前後して読みにくくなったみたい。
このまま出典を分かりやすく記述したほうがいいかな?
読みやすくまとめたほうがいいかな?
メールかウェブ拍手でご意見まってます☆
 

pk510@hotmail.co.jp 
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おまけ 電車にひかれたM3の回収作業
 

死んだナマズの様なM3